大喜利三昧

もうちょっと大喜利を楽しむブログ。

山村紅葉の経験人数を教えて下さい

IPPONグランプリのお題「山村紅葉の経験人数を教えて下さい」はお題の体をなしていなかった。というのが今回の趣旨です。ここ二日ほど山村紅葉の事を考えておりました。

 

もちろん演者としての山村紅葉さんは顔にパワーがあって、もちろんバック的なパワーもあるので好きなのです。しかし、みなさん知らなかったでしょうが実はここ、山村紅葉サスペンスのことではなく大喜利のことを書くブログなので、ここからは5月のIPPONグランプリの話をします。

 

IPPONグランプリというのはチェアマンがダウンタウン松本人志大喜利大会で、テレビ番組です。一応特番かつゴールデンタイムでやっているので、誰が見ても良いようなつくりにはするだろう、という前提で今後のお話は聞いてください。

 

24日に放送したフジテレビ系IPPONグランプリ内で出題された大喜利のお題に、ネットが騒然となった。

 

 そのお題が出題されたのは、千原ジュニアとロバート・秋山竜次のサドンデスマッチ。どちらかが1本を先取すれば決勝に進めるという大事な戦いに出題されたのは山村紅葉の経験人数を教えて下さい」というものだった。大会チェアマンの松本人志は、机を叩いて「面白い」とこぼした。

 

 戦いの結果は、「最後までだと3人 それ外すと103人」と答えた秋山が見事1本を獲得し、決勝に駒を進めた。敗れたジュニアは、大喜利やってきて、こんなに答えを考えたくないお題初めてでした」と語った。

 

 また、ゲストとして出演した俳優の斎藤工「最後のサドンデスの問題が、すごい、いまだに咀嚼できないというか……」と困惑したコメントを残した。

 

 松本によると、山村紅葉には事前に番組スタッフが確認を取ったとのこと。すると山村は「全然使ってください」と快諾したという。

 最後に松本が「実際は70人らしいです」とボケると、スタジオは笑いに包まれた。

 

 この強烈なお題に、視聴者も即座に反応。Yahoo!検索データの「急上昇ワード」に、山村紅葉の名前がランクインする事態となった。

 

 山村に対して、ネット上では「山村紅葉さんは懐が広いなあ」「山村紅葉さんの器、でけー!」という称賛の声のほか、「山村紅葉さんが全てにおいて凶悪すぎたww」「山村紅葉がトレンドインwwwwww」「結局何人なんだろ」など、様々な声が寄せられている。

 

http://www.excite.co.jp/News/entertainment_g/20140524/Gree_156463.html

 

山村紅葉の経験人数を教えて下さい」というお題が出題されましたと。まあはっきり言わせていただけば、これは大喜利のお題の体を為していません。ゴールデンタイム全国放送のお題という注釈つきではありますが。

 

それは何故か、その理由を以下に2点示したいと思います。

 

1)    数自体を答えさせているから

数量を答えさせるお題は、レベルが高く難しいものになります。大喜利でいう「レベルが高い」とは、「舗装された道の幅が狭い」ということです。具体的にはどういうことかというと、大喜利において数量を聞かれてしまった時点で、回答のパターンは5パターンに絞られます。

 

大喜利のお題の作り方 - 大喜利三昧

大喜利のお題の作り方」内の「イメージしやすい「数量」について考える」でも「大喜利における数」については言及しましたが、大喜利における数量のパターンは「--・-・0・+・++」の5パターンです。明らかに大きなマイナス・ゼロではないマイナス・ゼロ・ゼロではないプラス・明らかに大きなプラスの5パターンしかないのです。

 

これで数量自体を答えさせてしまうとどうなるかというと、答えが5パターンで終了になります。「ゼロと見せかけて・・・」などもオッケーにすると、2つ使って(「戦いの結果は、「最後までだと3人 それ外すと103人」と答えた秋山が見事1本を獲得し、決勝に駒を進めた」)25パターン。

 

きりがないのでやめますが、そんな感じで出来上がる数字と数字の組み合わせが面白い!という人は大多数ではないと思います。何らかの才能がある。それこそ達人の域というか分かる人には分かるし・・・うっとり。みたいな世界になってしまいます。

 

「だったら数字を答えなきゃいいじゃん」という向きもあるでしょう。

まったくそのとおりで、正しいです。正しいですよ。でもそれは茨の道なんです。

 

例えば、「何才ですか?」と聞かれたとしますよね。

その人が20才なら、「20才です」と言います。

 

はい、この話はおしまいです。

情報、それだけ。広がり、なし。

 

一方で、「今までの人生でどんなことありました?生まれた年からお願いします」って聞いてもらえれば、「えっと、一応20年前に生まれて、小学生の時はコロコロ読んで、ポケモンが流行って、でも買ってもらえなくて、ミニ四駆はギリ買ってもらえたけどパチモンでした。あとは・・・」みたいな感じで、延々と話が続いていくものと思われます。

 

でも、「何才ですか?」と聞かれて、その人が「えっと、一応20年前に生まれて、小学生の時はコロコロ読んで、ポケモンが流行って、でも買ってもらえなくて、ミニ四駆はギリ買ってもらえたけどパチモンでした。あとは・・・」って話し出したらどうします?

 

「うるせえよ、そこまで聞いてねえよ、黙れよ」ってなりませんか?その人の話がよっぽど面白いということに賭けるというのもアリですけど、それはずいぶん分の悪い賭けだと思いませんか?

 

大喜利で「お題で聞かれてないことに答える」ということもそういうことなんです。大変なことです。頑張らないといけません。お題の時点で幅が狭いとすぐ冒険しないといけなくなります。

 

自分で冒険できる人はいいですが、それはプレイヤーレベルの話で、少なくともそれをお題レベルで要求してしまうようなお題はどうなのかと思います。そういった点でも、事実を答えるお題より、例を答えられるお題の方が良いと思います。

 

しかもこれはサドンデスのお題です。すぐに冒険することをになる、跳ねる可能性の少ない、レベルの高いお題をサドンデスで出題してしまうということは、満足度の低い回答で妥協しなければならなくなるリスクが高まるということです。

 

リスクが高まったー(逃走中風に)

 

2)    安心して笑うことができないから、あるいは「安心して笑うことができない」という理由を作ってしまったから

 

あえて無視してるのか分かりませんが、下ネタは万人に受け入れられるもんじゃないです。下ネタがどうしても苦手な人ってのがいますから。時間帯もあるし。

 

山村紅葉の経験人数」のお題で笑っちゃうってことはそれを認めて、受け入れたってことになりますからね。この場合問題なのは、回答者でも主催でもなく見てる側です。

 

見てる人がそれを見て笑えない、あるいは「笑うことに気を使っちゃう」、「笑う以外の事を考えさせてしまう」ようなお題は、なるべくなら避けた方が賢明だったかと思います。

 

また、ゲストとして出演した俳優の斎藤工「最後のサドンデスの問題が、すごい、いまだに咀嚼できないというか……」と困惑したコメントを残した。

 

ほら困惑しちゃってるじゃないですか。

 

あとは穿っていえば、山村紅葉+経験人数のくせがすごすぎて、ついていけない人大勢いたと思いますよ。というか、山村紅葉はみんなが知っている前提なのかと。

 

山村紅葉でひとこと」とか、山村紅葉さんが~した。何と言った?」とかじゃなくて、題材が経験人数なわけだから、山村紅葉を他の人に置き換えられないじゃないですか。

 

答えの山村紅葉に対する依存度が強すぎるんです。面白さが、山村紅葉を知ってるかどうかに大きくかかわってくる。

 

よって私が推奨するお題は、山村紅葉の経験人数をお題に使いたいんだったら、山村紅葉の経験人数をなんとな~く教えて下さい」です。要素が「山村紅葉・数」の二つから、「山村紅葉・数・たとえ」になればまだいいんじゃないかと。

 

まあ「それとな~く」でも、もっと言えば簡単に「何かに例えて教えて下さい」でもいいんでしょうけど、なんか下心見え見えでやだなあという感じがしたので、「なんとな~く」にしておきます。

 

あ、でもサドンデスだから数答えさせた可能性もあるな!まいっか!

「「山村紅葉の経験人数を教えて下さい」はお題の体をなしていなかった。でもサドンデスだからパターンが少ない問題についてはセーフ。時間帯としてはアウト」にします

 

さらにここまで考えて、このお題、実は「たくさんの中から目立つような回答は出しにくいお題」なだけなんじゃないかと思いだした。2人だからこそこのお題というか・・・台本・・・?そんなことないよね!きっとね!

「N」や他や

大喜利から離れていました。

具体的には空いた時間にはドミニオンボードゲーム)をネットのお知り合いとやったりしていました。村強いね。村。

 

大喜利関連のことといえば、ゴハさん主催の「N」という大喜利オフの動画を見ました。ルールはこちらです(引用に任せていくスタイル)。

 

1.参加者が自らのタイプを選択し、事前に決めていただきます。タイプは以下の3つになります。

 ・「パワー」…10分間の中で5回までしか回答できない代わり、1回答あたりの配点が高い。

 ・「スピード」…回答制限が無く、いくらでも答えていただけますが、1回答あたりの配点が低い。

 ・「バランス」…一般的なペース(10分間で12回答まで)で回答でき、1回答あたりの配点も中間的。

 

2.各回答者の机には5枚の普通のフリップと1枚の透明なフリップがあり、それらを自由に組み合わせて回答していただけます。とはいえ、普通に回答して頂いても全く問題ありません。

 

3.また、机には、用意されている全てのお題の中から、各お題の「主な要素」が書かれたカードが積まれており、その中から各自1枚を選択していただきます(それぞれの選んだ1枚=計2枚のお題で勝負していただくことになります)。

http://twipla.jp/events/102972

 

大喜利ismという企画案をツイートした気がするのですが、それと似ている感じですね。

 

各人にスタイルというものがどの程度自覚的にあるかは分かりませんが、動画を見ている限りでは点数集計の時に少し意識されるくらいでしょうか。スタイルがあることによって(完全にプレイヤーに自由にならない要素のみでゲームを構成しないことによって)、勝敗の理不尽さと言うか、理不尽さを覚える程度が軽減されるような気がします。

 

特徴的なのは上記2だと思うのですが、ただ単に5枚のフリップだけでなく1枚の透明なフリップを用意したところがミソだと思います。

ここからはまあ邪推ですが、ゴハさんは大喜利以外のものを大喜利として(大喜利のパッケージで)見せたいんじゃないかなあと思ったりしています。やっぱり最近の大喜利と言えばフリップのイメージが強いので、そのフリップの範囲を通常より少し広げて、フリップに納まりきれないことをやりたい人のニーズに答えようとしているのではないかと更に邪推します。

 

逆にそこまではチャレンジできずにフリップに納まっていた人も、それが5枚あって透明が1枚あればちょっと使ってみようかなという気になりますよね。

見てる側としてもフリップは使っているので野放し状態ではない。ここまでならやってもいいよとちゃんと言われると自由になるのが日本人ですからね。

 

僕は普通の人が如何にチャレンジ出来るかっていうのに注目しているので、なおさらすごく良いと思います。ここまで良いよっていう線を用意するのは大事なことですよね。チャレンジする側にとってもしない側にとっても。

 

例えは悪いですが動物園のつまんない展示が活動展示になったよ!のような感じを受けますね(これは本当に最悪なたとえなので、これをやっている人が動物だとかそういう意図は一切ありません。マジで)。

 

個人的には木曜屋さんが5枚使って何かしようとしているのをきんしたまごさんが怪訝そうに見るところが微笑ましくて良かったです。まあ動画を見た方が速いと思うので、動画を見ましょう。

 

あとこの会場動画にしたとき見やすいですね。

第2回もあるようです。

「N」第1回ロケテスト ベストマッチ② きんしたまご vs. 木曜屋 - YouTube